遅くなりましたが先日集めていた音風景であります。
今回は作成に時間がかかったねー
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今回の音風景は、福井県越前市にある「蓑脇の時水」。
事前に環境省のHPでみてみると、間歇冷泉とあり、解説を読んでもいまいちどんなものかが分からない。間欠泉と言えば地面からプシューと湧き出すイメージしかなかったので、いったいどんな音だろうか、と期待が膨らむ。
そもそも、「時水」とはなんぞや?
とりあえず、武生の駅にある観光案内所によって、おはなしを伺う。
「音風景100選にある蓑脇の時水を聴きにきたんですが・・・」
「ああ、時水ですね、ちょっと待ってください・・・」(ごそごそとファイルを取り出す)
ファイルを覗くと、時水の資料のようだが、明らかにどなたかの個人のブログ記事
(これだと思う)
それにしたがっていろいろ説明をいただく。
まとめると、
・武生の駅から東に車で20分くらいの山あいにある
・途中、イノシシよけの電線があるから手動で動かさなければならない
・車を降りてから現地まではけっこう歩く
・熊が出る(!)
して、時水とは、
・湧き水の量が減ったり増えたりする
・水量が変わることで水の音に変化ができて、それを時報代わりにした(という言い伝えがある)
・ただし、いつ水量が増えるかは分からない
・だいたい、三時間に一回(つまり聴けるかどうかは運次第)
ということだそうだ。
とりあえず武生の駅を出て、20分ほど車を東に走らせると、こんな看板。
やたー。
久々に音風景を意識している音風景に出会いました。
きちんと書いてある(消えかかってるけど)。
地元の方のお話では、あの山の中にあるらしい。
くるまで行けるところまで行って、登るらしい。
というわけで行けるところまで行って、登りました。
こんな感じ。
なにこれ。
道ないじゃん。
熊が出るというので、ギターを持っていく俺。
完全に場違い。
分かりにくいが、かなりの急斜面。
このまま、道なき道をすすむことおよそ40分、汗だくになりながら「なんでこんなことしてんだ」と思うこと3回、何かが見えた!!
何?あれ。
近づいてみると・・・
なんすか?これ。山道に突如現れる謎のオブジェ、まるで現代アートの様相。
どうやらここに、「蓑脇の時水」があるらしい。
そしてこれが、残したい日本の音風景100選に選ばれた、「蓑脇の時水」であります!!
んー・・・
よく分からん
説明によれば、どうやら、この水量が変わって、流れる水の音が変わる、というのが「時水」の正体のようであります。なんか、最大で6時間半変わらないとか書いてある・・・
よーし、こりゃ長丁場になりそうだ、最悪、暗くなる前にここを出ればいいから、なんとか聴けるだろう。まずはこのあたりの風景を楽しんで、それからギターなぞ弾いて、じっくり待とうではないか。
と。
なにやら水の音が大きくなってきたぞ。
え? もう?
時水に辿りつくこと15分、観光センターの人や、村の人に、さんざん「なかなか聴けません」と脅され、長丁場を覚悟してきたのに、もう?
というわけで、みなさま、お待たせしました。
これが、残したい日本の音風景100選に選ばれた、「蓑脇の時水」であります(二つの動画を聞き比べてください)。
増水前の緩やかな流れ
増水後の激しい流れ
いやー、こうしてみると、全然違うね。
現場であんまり分からなかったけど。
さて、時水、水量が増減するのは分かったが、して、なぜ?
間欠泉のように、温度云々ではなさそうだし。
うーん?
と首を捻っているところに、下からなにやら人が上がってきた。
この悪道を登り慣れているこの御仁、お話を伺ってみると・・・
なんとこの時水の様子を見続けて20年という方だった。
改めてお話を伺うと、この御仁、なんと、この時水を「発掘」し、音風景に申請したという、「時の人」ならぬ「時水の人」。
なんでも、20年前、幼少時聴いた、水の流れる音を時報代わりにしたという話を、「本当だろうか?」という思いでこの時水を探りあて、有志で仲間を集め、時水を観れるようにしたという。20年という歳月で仲間は一人減り二人減り、今では一人でこの時水を見続けているとか。
この人がいなければ、僕はここに来ることはなかった・・・
間歇冷泉について、時折ギャグを交えながら語る「時水の人」。やけに慣れてらっしゃる。そしてやけに嬉しそう。
そして、気になっていた、結局、なぜ水量が変わるのか?
お答えは・・・
分からない
だそうです。
全部で五つくらい説があるそうで、一番有力なのは(複雑な)サイフォン原理説なんだそうですが、それも結局は、カパッと山を割ってみなけりゃ分からない、と。したがっておそらくこれからも不明だろう、と。
要するに、不思議水、であります。
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お話の途中、「マジックやってるんだよー」と嬉しそうに仰っていました(ステージ名はジャッキー)。正直、あの場所でマジックを見る気にはなりませんでしたので、スルーしましたが、どうやら、時水を案内する際、なかなか見れない場合は、つなぎとして、マジックするというサービスがあるようです。
「時水を守る会」
詳しくは上記リンク参照のこと。
もし上越にお越しの際は是非尋ねてみよう、「蓑脇の時水」。
時水の人、川上一馬さん、ありがとうございました。
結婚記念日、おめでとうございます。
これからも仲良くお幸せに。
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