2010年8月14日土曜日

グッバイ、白ギター

旅立ちよりずっと風博士のステージを共にしてきた白ギターと、ここ愛媛松山道後にてお別れすることになった。

ツアーのスタートに寄った、「旅の宿ふじ屋」のオーナーあつしが、とてもとても素敵なギターを(出世払いで)託してくれたのだ。



白ギターの話しはツアー中もよくしていたから、知っている方も多いと思うが、あのギターは西田さんという友人から借りているギターで、実は僕のものではない。旅立ちの前、どうしても白いギターをお供にツアーしたかった僕は、西田さんを呼び出して、「西田さんだと思って旅に連れて行きますので貸してください」とお願いしたら、快く了承してくれた。


ギターとしてはそんなにいいものではなかった。
響きももう一つだし、ペグも甘く、チューニングはずれやすかった。
ただ、毎日毎日弾いていたから、彼女(ギターは女性である)の限界まで音が出ていたことには自信がある。


でも、単純に、毎日音楽をやっていれば、楽器もいいものを求めたくなるというもんだ。


そんなことを特に感じていた矢先に、あつしがポンと僕の前に二本のギターを取り出して、「どっちでもいいから持ってきな(出世払い)」という。


一本はY.Nishinoのギター。年代はわからない。立ち上がりが素晴らしく、高音の粒立ちもいい。アタックの強い曲などでは感動的ほどのグルーヴが出る。ただ、少し低音が弱く、バランスがもうひとつ。


もう一本は、SEIZI INABAのギターで、1976年のもの。こちらは全体的にまるくやさしい音。粒立ちがよいとは言えないが、高音から低音までのバランスが素晴らしい。そして、弾き込めばまだ育つ感じがする。


もちろん両方とも総単板。ともにいいギターであり、選びがたい。



散々悩んだ挙句、僕は心を決めた。が、ここですんなり決めてしまっては面白くない。人生運と遊びである。たまたまふじ屋に泊まっていたフランス人のルシールちゃん(19歳、とにかく可愛い)に決めてもらうことになった。

彼女がちょっと悩んで、選んだのは、SEIZI INABAのギターだった。



というわけで、新しい僕の相棒は、選んでくれた彼女の名前をとって、「ルシール」になりました。
これからよろしくお願いします。

3 件のコメント:

上ああ さんのコメント...

 マドモアゼル・ルシールにお目にかかれる日を楽しみにしています。
 博士と別れた後の西田さんの行く末が気になって仕方ありません。

ぱくち さんのコメント...

まったくもって焼けちゃう話ですが、
風博士とルシールちゃんの愛の音楽が届く日を楽しみにしております。

kazehakase さんのコメント...

上ああさん>
西田さん(本人)にお返ししようと思い連絡したところ、せっかくなので持っていてください、と言ってくれました。というわけで、西田さん(ギター)はまだ僕が持っています。

ぱくちさん>
楽しみにしておいてください。
ありがとう。