2009年4月29日水曜日

音をあつめて16 No.072 因州和紙の紙すき

さてみなさまお待ちかね?
音をあつめてのコーナーです。


今回の音風景はこちら。
http://www-gis2.nies.go.jp/oto/data/scene/index.asp?info=72


「因州和紙の紙すきの音」ということで、伝統工芸の音であります。
よく考えたら、人の出す音というのはこれが初めてじゃないかな?
いろいろお話聴けるかな、と期待を胸に、いざ、青谷へ。
青谷へは、鳥取市内から車で一時間くらい。




のどかです




んー、どこに行ったら音が聴けるかな?
と近くの和紙会館的なところを覗くと、本日はあいにくの休館。

けど、敷地内に青谷を紹介した看板があって、そこには紙すき職人の工房と電話番号、そして見学可能かどうかのしるしが書いてある。
これを頼って職人さんを見つけよう。





適当に、見学可能な工房に電話をかけてみる。
けど、つながらなかったり、つながってももう紙すきはやっておられなかったりと、うまくいかない。
んーどうしようかね、と思っていると、隣の芝生でゲートボールの練習をしおられたおやじさんが「にいちゃん紙すき?」てな具合に声をかけてくださった。

音風景100選というものを聴いて回っているのです、とお話しすると、外見に似合わず、たいへんに親身だにいろいろ教えてくれた。

「あーそれじゃったらかずちゃんがいい ここらで一番愛想がいいですが」
と青谷で一番愛想がいいというオススメの職人さん「かずちゃん」を紹介してくださったw





ほかにも、青谷の過疎化の現状や、紙すきをやる家が激減していること、因州和紙の原料のミツマタの話、「かずちゃんとこの家にはツバメが50個くらい巣を作っていてすごい!などなど、いろいろ聞かせてくれた。



因州和紙原料のみつまた そのへんに生えてる



で、「かずちゃん」の工房は、ご自身の家の真裏wとのことなので、案内していただく。



「ごめんください、さきほど電話した杉山ですが」と工房の扉を叩くと、中からとても甲高い声で、「どうぞー!」との返事。
確かに、愛想がよいw

出迎えてくれたのは、青谷一愛想のよい紙すき職人「かずちゃん」こと、伝統工芸士の池原和樹さん。

お仕事を見学させていただきながら、今回お邪魔した目的をお話しする。

音楽をしながら旅をしており、そのなかで全国の音風景を聴いて廻っていることを伝えると、なんと、因州和紙の紙すきの音が音風景100選に選ばれたとき、録音したのはまさにこの家だったとのこと。なんと嬉しい偶然か(もっともそのとき紙をすいておられたのは、母上とのこと)。



というわけで、環境庁選定、残したい日本の音風景100選に選ばれた音を、お聴きください。
これぞ因州和紙の紙すきの音、しかも血統の良い、サラブレットな音であります
(もっとも池原さんの人が良すぎて、ずっとお話を聞かせてくださいましたので、ちゃぷちゃぷの音は最初のちょっとにしか入っておりませんのでお聴き逃しのないよう)





ひとのよさの伝わる音ですね。
途中、音風景の話になっちゃってますねw
なんでも、25年前に家業を継ぐ前は、大阪でサラリーマンをされておられたとか。

一日に300枚ほど、こうやって紙をすくそうです。
すいた紙は束ねて、あとで万力で水を搾り出すそうです。



すかれたばかりの紙





いかがでしたでしょうか、今回の音風景。
音や景色もさることながら、なんとも、たいへん人のいいところでした、因州和紙の里、青谷。

というわけで、最後に、青谷の人物名鑑を。



グラサンとったら人の良さ滲み出てました




伝統工芸士 池原和樹さんと




ありがとうございました。

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