とうとう、風博士の風まかせツアー、千秋楽であります。
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2008年3月2日、京都は五条大橋の上から、住所不定ツアーが始まった。
母との約束で、旅は三年間の限定だった。十年以上住み親しんだ土地との別れだった。
出発のとき、淋しさとワクワクが半々に入り混じった不思議な気持ちだったけど、不安はまったくなかった。それよりも面白さが勝っていた。
三万円という少ない所持金がより笑えた。
CDを発注して、荷物を整理して、いろいろしたら、三万円しか残っていなかった。
そのうちの一万円で青春18切符を買い、もう一万円で「京都のおかん」のところに行ってカバンを買い、伏見稲荷に寄っておみくじをひいて、「方がく 南の方よし」の文字をみて、残った一万円を握りしめて、南行きの電車に乗った。
すべてが、ついこの間のことのように思える。
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僕は、かつてのブログでこう宣(のたま)った。「人生はギャグのごときものである」と。今もその想いは変わらない。変わらないどころか、三年間の旅を経て、より一層その想いを強くする。何故なら人生一回こっきり、悲しく過ごすより楽しく過ごした方がよいからだ。生きることが死ぬまでの暇つぶしだとしても、暇のつぶし方には工夫があってよい。
三年間、いろいろあった。
人の生活の三年間を一言でまとめることなど到底無理だし、野暮だ。
ましてや旅していたんであるから尚更だ。
それを敢えて、一言で言うなら、「楽しかった」。
本当に、旅に出てよかった。
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そして、とうとう、旅の最後を迎える。
昔なじみのカフェ、さらさでライブパーティだ。
ずっとこの日が待ち遠しかったような、できれば来て欲しくなかったような、複雑な気持ちだ。
この三年を思うと、いくつもの顔が浮かぶ。
大きな病気をすることなく旅することができたのは、みなさんのおかげです。
ライブに来てくれたひとたちのおかげです。
音源を買ってくれたひとたちのおかげです。
旅先で出会ったひとたちのおかげです。
これを読んでる、あなたのおかげです。
本当にありがとう。
どうか皆さんに、素敵なことがありますように。
(2011年3月2日に、最後の書き込みをします)
1 件のコメント:
お疲れさまでした!
さらさに行けなくって、ほんとに残念です。みなさんのつぶやきやアップされるお写真で、雰囲気だけCDを聴きながら、妄想しておくことにいたします。
記念のライヴ、楽しんでくださいね!
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